Dormitory & snoring

相部屋で、自分のいびきが迷惑になっていないか気になる人へ

その心配は、まわりを思いやる気持ちから

相部屋に泊まる前の夜、「自分のいびきで、同じ部屋の人を起こしてしまわないかな」と考えてしまうことはありませんか。

検索窓に「いびき」と打つと、「迷惑かけたくない」「旅行に行けない」「旅行 不安」といった言葉が続いて出てきます。カプセルホテルや夜行バス、ドミトリーでのいびきを心配する言葉も並びます。同じことで悩んでいる人は、あなただけではありません。

いびきは寝ている間のことなので、自分では止められません。責める必要はありません。そのうえで、できることを一つずつ見ていきましょう。

まず、自分のいびきを知る

いびきは、自分では気づきにくいものです。日本睡眠学会の解説でも、睡眠時無呼吸症候群では、まわりの人の話が大事で、本人が気づかないこともあるとされています[4]。

一人で確かめたいときは、スマートフォンの録音アプリが使えます。たとえば「いびきラボ(SnoreLab)」は、寝ている間のいびきを録音し、音の大きさを記録するアプリです。App Store では「無料・アプリ内購入」と表示されていて、一晩中の録音などはプレミアム版の登録が必要と書かれています[5]。

  • 旅の前に、家で何晩か試してみる
  • お酒を飲んだ日と飲まない日、あお向けと横向きで、違いがあるかを見てみる
  • 録音を聞いて、いびきの途中で呼吸が止まったり、あえぐような音がしたりしていないかを確かめる[4]

ただし、アプリは目安です。病気かどうかは、専用の機器を使った睡眠検査で調べます[3]。

今夜からできること

日本呼吸器学会は、いびきが軽い場合は横向きで眠るとよいとしています。横向きで眠ると、いびきをかきにくくなるそうです[1]。

寝る直前のお酒も見直してみてください。日本呼吸器学会の診療ガイドラインでは、寝る直前にお酒を飲むと、閉塞性の睡眠時無呼吸が悪くなることが研究のまとめで示されたと書かれています[2]。相部屋に泊まる夜だけでも、量を控えてみるのは一つの方法です。

  • 横向きで寝る
  • 寝る前のお酒を控える

なお、横向きを保つための道具は、ガイドラインの中でも「決まった形がまだない」とされています[2]。特別な道具を買う前に、まずは寝る向きを意識するところから始めてみてください。

ふだんの習慣で変えられること

日本呼吸器学会によると、太っていることがいびきの原因になっている場合は、体重を減らすことがすすめられています。お酒と体重は関係が深いため、お酒を控えるのもよいとされています[1]。

ガイドラインでは、寝る前に限らず、ふだんからお酒を飲む習慣があると、睡眠時無呼吸のリスクが上がることも紹介されています[2]。

鼻づまりがいびきにつながっていることもあります。アレルギー性鼻炎などは、薬で鼻づまりをおさえる治療があります[1]。鼻の通りがいつも悪いと感じる人は、耳鼻咽喉科で相談してみてください。

こんなときは、病院で相談を

お酒を飲んだ日や、かぜをひいたときだけいびきをかく場合は、おおむね心配はいらないとされています[1]。

一方で、次のようなことがあれば、一度相談してみてください。

  • いびきが毎晩のように続いている
  • 寝ている間に呼吸が止まっていると言われた
  • 夜中に息苦しくて目が覚める、朝にのどが乾いている、頭が痛い
  • 昼間に強い眠気がある

これらは睡眠時無呼吸症候群で見られる症状として挙げられています[1][4]。中くらい以上の睡眠時無呼吸症候群は、事故の危険や生活習慣病への影響があるため、早めの診断と治療が大切とされています[1]。

いびきだけなら耳鼻咽喉科、睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合は呼吸器内科が合うこともあります。「いびき外来」や「無呼吸外来」がある病院もあります[1]。迷ったら、かかりつけ医に相談するのがよいでしょう。

検査と治療の流れ、費用の目安

病院によって違いますが、たとえば次のような流れです[6][7]。

  1. 問診で、眠りや昼間の眠気について聞かれる
  2. 自宅での簡易検査(鼻や指にセンサーをつけて一晩眠る)
  3. 必要なら、1泊入院での精密検査(終夜睡眠ポリグラフ検査)
  4. 治療が必要なら、CPAP(寝ている間にマスクから空気を送る治療)などを始める

治療には、CPAPのほか、マウスピースや手術もあります[3]。どれが合うかは、医師と相談して決めます。

保険3割負担での費用の目安は、病院の案内で次のように書かれています。

  • 高松医療センター(2024年の案内):自宅での簡易検査 5,500円程度(紹介状がない場合は別に1,650円)、入院での精密検査 37,000円〜、CPAP治療 月1回 4,200円程度[6]
  • 三友堂病院(2025年の案内):外来受診1回 約5,700〜6,600円、入院費用 約32,000〜36,000円(入院費・食事代・個室料を含む)[7]

どちらも各病院の目安で、人によって変わります。保険の点数も見直されることがあります。受診する病院で、最新の金額を確かめてください。

いびきのことを知っておけば、旅の夜は少し気が楽になります。できることから試してみてください。

この記事は、一般的な情報をまとめたものです。医療上のアドバイスではありません。いびきや眠りのことで気になることがあれば、医師に相談してください。

参考にした情報

  1. 日本呼吸器学会「Q14. 夜、いびきをかく、と言われました。」 https://www.jrs.or.jp/citizen/faq/q14.html (2026年10月19日閲覧)
  2. 日本呼吸器学会ほか「睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン2020」 https://www.jrs.or.jp/publication/file/guidelines_sas2020.pdf (2026年10月19日閲覧)
  3. 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会「口腔・咽頭の病気(睡眠時無呼吸)」 https://www.jibika.or.jp/modules/disease/index.php?content_id=22 (2026年10月19日閲覧)
  4. 日本睡眠学会「睡眠障害の症状」(本多真) https://www.jssr.jp/basicofsleepdisorders2 (2026年10月19日閲覧)
  5. App Store「いびきラボ - いびき対策アプリ (SnoreLab)」 https://apps.apple.com/JP/app/id529443604 (2026年10月19日閲覧)
  6. 高松医療センター「睡眠時無呼吸症候群」(PDF) https://takamatsu.hosp.go.jp/themes/main/department/respiratory/pdf/sas.pdf (2026年10月19日閲覧)
  7. 三友堂病院「睡眠時無呼吸症候群 外来受診のご案内」(PDF) https://hospital.sanyudo.or.jp/byouin/wp-content/uploads/2025/05/sas-guide.pdf (2026年10月19日閲覧)